今日で治療が最後になる患者さんと色々話をしました。
彼女が初めて松本整体にいらっしゃったのは九年半前でした。
Мさん「先生、私もう九年半もお世話になりました。ありがとうございました。
私が松本整体に来たのは、膝が曲がらなくなってしまい、あちこち良いと言われる所はほとんど治療に行きました。それも1~2回では分からないので納得がいくまで通ったんです。でもどこも治してもらえなくて、最後の病院では手術しかないと言われました。もう私の膝は治らないんだと諦めていた時、ふと、松本整体の看板が目に入ったんです。こんな所に整体が有ったんだと思い、思い切って予約しました。そしたら先生が『大丈夫よ。治りますよ。』と言ってくれた時凄く嬉しくて。
そして、治療が終わった時『ちょっと屈伸してみて。』と言われやってみたら膝が曲がったんです。たった一回の治療で膝が曲がったんです。その時『ああ、ここで私の膝が治るかもしれない。』と希望が湧いてきたんです。
私 「そんな事がありましたか。ごめんなさい、もう忘れました。」
Мさん「先生、そんなこと忘れないでください。その後しばらくしたら、『もう卒業ね。』と言われて、私はショックでした。もう来ちゃいけないのかと思って。」
私 「来てはいけないなんてことは無いけれど、そんなに悪くない状態になったから、いつまでも治療に来なさいと引っ張ってはいけないと思っただけです。」
Мさん「でも、私はショックでしたよ。それで回数を減らして治療を続けてもらったんです。そのうちに、転勤でドイツに行ってしまい、ドイツでまた膝が悪くなったけれど、ドイツでもあちこち、遠いところまで行っても良くならず、最後にテニスのナショナルチームのドクターの所まで行ったけれど結局良くならず、日本まで帰ってきて治療してもらった事もありました。」
私 「ドイツから電話くださったわよね。『1週間だけ帰りますからその間に何とかして下さい。』って言われ、休み以外全部予約入れましたよね。でも何とかなって良かった。」
Мさん「テニスの試合で足を痛めた時も、皆に『整体なんて行っちゃダメ。温めて安静にしていた方がいいよ。』って言われて予約の断りの電話したら『温めたらだめです。すぐ冷やして、明日はちゃんと治療にいらっしゃい。』と言われて冷やしたら痛みが少なくなって、治療してもらったら痛みが取れた時もあったし。」
私 「そんなこともあったわね。懐かしいなぁ。」
Мさん「先生、本当にお世話になりました。ありがとうございました。」
私 「困ったことが有ったら、電話で相談して下さって構いませんからね。きちんと定期的な治療をしたので体の基礎はとても改善されていますから、そんなにひどい状態になることは無いと思いますが、こじらせる前に治療をすれば何回も来なくてすみます。早めに治療してくださいね。」
と言う会話をして、お別れしましたが私は涙が出そうになるのでうつむいたまま「お大事
に。」と言うしかありませんでした。
長く通って下さっている患者さんとのお別れは本当に寂しくて辛いです。
杉並区久我山 松本整体院長 久保田昇子