「普通の背骨の曲がりと、側弯症の違い」

うちに来院される方は100%背骨の曲がりがあります。
体調が悪かったり、どこかに痛みがあったりする方は、その原因が背骨の曲がりにあることが多いので当然です。

筋肉とは弾力性があって、伸びたり縮んだりが思い通りにできて、動きを制限することが無いのが理想です。
しかし本人の意志とは関係なく、ひっかかりが出たり、可動域(動かせる範囲)がいつの間にか少なくなっていたり、動かすと痛くなったりしてしまいます。

こういう、本人の意思に関係なく、いつの間にか筋肉の状態が変化し、脊椎が曲がったり、体に歪みができたりすることを、父は「筋肉の不随意(意識的でない)な自律収縮(自らの規則にそって縮まっている状態)」と表現しました。

筋肉に弾力性が無くなり、伸び縮みが脳の指令に応じられなくなっていても、体は何とか脳の指令に忠実に動こうとします。
ところが筋肉に弾力性が無くなって自律収縮をしてしまうと、動かせない範囲がひろくなって、痛みになったり、動かせなくなったりすることで自覚できるのですが、それが僅かなものだと生活に支障をきたさない程度で終わってしまって、筋肉に硬さが出ている事に気がつかず生活をします。

毎日、少しずつこれが繰り返されると、骨と骨を結び付けているのが筋肉ですから、骨が少しずつ引っ張られて僅かな曲がりが出ます。
これが背骨の曲がりです。

背骨は首が七個、胸が十二個、腰が五個の骨でできていて、骨と骨の間にクッションになる椎間板を挟んでジョイントしながらつながっています。
その骨の一つ一つにいろいろな筋肉がついているため、細かい曲がりがいっぱいでてきます。

ところが、その背骨の真ん中を脊髄神経が脳からお尻の方にかけて通っていて、ジョイントされている骨と骨の間から枝分かれして全身に張り巡らされていきます。

ですから、ジョイント部分に曲がりが出ると、脊髄神経の出口に圧迫が出てその神経に支配されている場所に痛みやしびれなどを感じるようになります。

脊髄神経の圧迫されている場所により、腰痛になったり、膝痛になったり、肩こりになったりします。
頭痛やめまい、耳鳴りなどは首から出ている神経が関係しています。
神経痛は脊椎の曲がりや頭蓋骨の歪み、骨盤の歪みが原因のようです。

こういう一つ一つの骨のジョイント部分の細かい曲がりではなく、もっと大きな左右のカーブを作って曲がってしまうのが側弯症です。
最近は早期発見するため小学生の健康診断で、側弯症の検査をするところも出ています。
前屈したときに肩甲骨の高さが左右同じに見えないときは、側弯症と診断されます。
ただせっかく早期発見されても、どうしてそうなってしまったのかの研究があまり進んでいないように思います。ですから体操を指導して、しばらく様子を見るということがされているようです。
これは初期の側弯症にはとても有効です。

小学校のうちから側弯症に注目して早期発見、早期対策をするということははとても素晴らしくて、これで一生大変な思いをしなければならない子供が減ることはとても嬉しい事です。
しかし、初期を過ぎてしまった段階では、体操や運動だけではほとんど効果が出てきません。

最終的に手術をしなくてはならなくなった方が大勢います。
正直言って、肋骨が変形してしまったような側弯症をまっすぐ元に戻すことはできません。
患者さんにもそういう説明をします。
しかし、S字の側弯のカーブを少し緩やかにしてあげることはできますし、なによりも側弯症で出てきている辛い症状を緩和してあげることはできます。
それはなぜ側弯症の症状が出ているのかがわかるからです。

側弯症が何故出るのかはいまだに分かっていないと言われますが、父の理論で考えますと、納得できるのです。

そしてありがたいことに、その理論を踏まえた上で施術しますと症状が軽減されてきます。
ただ、初期の段階でない限り、完全に症状が出なくなるということにはなりません。
施術をすれば楽になりますので、辛い症状が出始めたら施術するという形で長年付き合っていくことはできます。

あまり辛い生活をしないためには定期的に施術を行う事をお勧めしますが、いろいろな都合で、定期的な治療に来られない方もいます。
そういうかたには「最近腰が痛くなり始めた。」とか「背中に痛みが出てきた。」など、症状が出始めたら施術するという形をとっています。

それでも手術をしなければならないほど辛い状態にはならずに暮らしていらっしゃいます。
どういう理論でどういう施術が有効かは後日、本を出したいと思っていますのでそこで分かりやすく説明いたします。

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