「良い患者さんになろう 其の二」

ある患者さんとの会話。

「今日はどんな様子ですか?」
「足首が痛くて。辛いんですよ。」
「足、まだ痛いんですね。他には痛いところありますか。」
「足の指も痛いし、太腿も痛いです。」
「分かりました。じゃあ見てみましょうね。」

こんな感じで問診を行い、体の様子を見ます。
筋肉の状態。体の歪み、骨の状態等いつものように診ていきます。
そして、どこから施術を始めるか決め、低周波で筋肉の硬くなっているところをほぐしていきます。
だいぶ施術が進んできて、「今、ここはどうですか?」と聞くと 最初の問診と同じことを言い始めます。でも、状態はかなり変化しているので、不思議に思い、「ここは今痛いですか?」ともう一度聞き直すと

「今は痛くないです。でも、昔からずーと痛かったんです。」
「今は大丈夫ですね。」
「あら、変ねえ。そこ痛かったんですよ。」
「今、治療したので、少し変化したんですよ。」

この患者さんは、ずーと痛かったから、今も痛い筈で、痛くないのはおかしいと思いこんでいます。
ですから、いつまでたっても初診と同じ訴えをします。

時々「そこはもうだいぶ痛みが無くなっているんじゃないですか?」と聞くと
「前は痛かったんです。」
「今日はそこはそんなに痛くないでしょ?」
「はい、今日は痛くないです。」

という調子の会話が続きます。
そんな時「この方はご自分の体の変化を認められないんだなぁ。」と思うと同時に「では、どうしてこんなにきちんと施術にいらっしゃるんだろう。」と不思議な感じがします。

普通、来た時よりここが良くなった。
とか、なんとなく変化しているみたいとかそういう実感を感じるから次回も来院されるわけで、良くなっているのかどうかわからない状態で来院を続けられる理由はなんなんでしょう。
多分それなりの変化は感じながら、表現の仕方が良く分からないのかもしれません。
体の変化は自分が一番分かる筈です。
いつも自分の体の状態を把握している事は、治療を受けるうえでとても大切なことです。
いつまでも昔の状態を訴えるのではなく、自分の体の変化に敏感になりましょう。

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