冷やすの? 暖めるの?

先日、テニスの試合で足がつってしまい、その後が痛くて治療に来られないと患者さんから電話がありました。

原則として足をつらせてしまった後が痛くなることはあまりないので、私は肉離れやアキレス腱の部分断裂も考えられるので心配になり、今どんな処置をしているのか聞くと、「ひたすら温めています。」との返事でした。「仲間達がみんな温めろというのでそうしています。」と言われ唖然としました。そして更に「治療なんか行かず、家でじっとしていた方がいい。」とも言われ、温めているし治療もやめておこうと思う。と言うのです。

私は「間違っていることが二つあります。すぐに温めることをやめ冷やしてください。それから痛いなら治療をしないとダメでしょ。そのために私がいるんですよ。 とにかく状態も見たいので治療に来てください。」と言って電話を切りました。

次の日彼女が治療に来たので様子を聞くと「冷やしたら凄く楽になってきました。」と嬉しそうに話します。彼女の足を診たらどうやら肉離れでもアキレス腱の部分断裂でもなさそうでほっとしました。

ただふくらはぎにコリコリとちょうど10円玉位の大きさに筋肉が硬くなっていましたので、ほぐしてあげたら、足が軽くなり痛みもなくなったとの事です。

 

皆さんも痛みが出た時温めていいのか冷やしたほうがいいのか分からなくて困ったことありませんか。そんな時の一番いい方法は気持ちのいい方を選ぶということです。

もちろん腫れや熱感があったら絶対冷やしてください。捻挫も骨折も打撲もし全部冷やします。筋肉を使いすぎた時も冷やす。やけども冷やす。

これは大原則です。

ある医師は「温めるという事はほとんどの場合無い。冷やすだけ。」と言い切っています。でも寒い冬に長い間外にいたりした時の腰痛は温めると気持ちがいいですしほっとします。そんな時冷やすと辛いです。

人間の体はうまくできていて、して欲しい事をちゃんと訴えます。冷やして欲しい時は冷やすととても気持ちがいいですし、温めて欲しい時に温めるとやはり気持ちがいいです。そしてそれが意外に正解なのです。「皆がそういうから。」なんていうことで大切な自分の体を痛めないでください。

素直に自分の体が何を求めているのかを感じて対処しましょう。お医者さんに行くまでの何時間かの間でも、処置が正しいか正しくないかで症状が変ります。

何を求めているのか分からない時は両方してみればいいんです。そして気持ちのいい方に決めればいいのです。しつこいようですが、迷ったら気持ちのいい方を選んでください。大抵正解です。

 

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