「筋腰痛の原因についての考え方の問題」

腰痛は多数の人を悩ませています。
しかも難治になっている事が多いため、「腰痛は人間が二本足で立って歩くようになった故の宿命的な問題だ。」という諦めの論さえあります。
こういう理論が出るほど治しにくいのは腰痛の問題だけにこだわっているからだと思います。

腰痛を訴えている人に対して、それでは腰のどの部分が痛むのかと質問してみると、お尻に手を当てて、このあたりだと言う人が多いですし、腰の横が痛いとか、胸腰椎移行部又は腰仙移行部等を示す人もいます。
また痛い部位がハッキリしていないこともあります。

つまり腰部から殿部にかけての痛みをひっくるめて腰が痛いと訴えているのです。
同時に鼠径部から大腿部や足にかけても痛みを訴える人がいます。

このような症状に対して、原因は腰椎に神経を圧迫するような事情が生じているからだと考えられています。

つまり脊髄神経そのものが圧迫される事によって痛みが出ていると考えられていたり、椎間板ヘルニア説を筆頭に、脊髄神経に圧迫障害を生じさせている脊椎の問題が幾つも挙げられています。

椎間板ヘルニアを防ぐ一つの方法として、重い物を持ち上げる時には、しっかり腰を落としてから物を持って立ち上がりなさいと指導されています。

確かに、その動作は腰に不自然な力がかかりにくいですし、腰が痛い人は、自然にそんな恰好をしています。
しかしそれで椎間板ヘルニアやぎっくり腰が完全に防げるという実証はありません。
実際には軽いちょっとした動作の中でギクンときて、動けなくなっている事が多いのです。

もちろん腰椎に脊髄神経を圧迫するような状態があると、当然足腰の痛みに関わってきます。
しかし痛みが圧迫を受けている脊髄神経そのものに生じているとする考え方には疑問があります。

つまり筋肉を支配している運動神経そのものには知覚性が無いはずなのに、その神経に痛みを感じていると考える事には無理があります。

だからこれについては生化学的で高度な理論が提唱されています。
しかしそれが必ずしも完全に痛みの症状を解決するために役立っているとは言えません。

こういう理論に対して、脊髄神経や脳神経には副神経の脊髄根によって取り込まれた迷走神経が混合されていて、迷走神経の興奮的な状態によって筋肉に自律収縮が生じ、迷走神経に伴っている知覚枝の興奮的な状態によって筋肉が痛んでいると考えるならば、痛みの症状の原因を無理なく理解する事ができます。
この理論に従った手段で施術すると腰痛を見事に解消させる事ができます。

つまり脊髄における神経の圧迫障害を排除する手段ではなくて、全身的な筋自律収縮を解除すると、脊椎の旋曲が消えて、同時に筋肉の痛みも解消させているのです。
これをギックリ腰を例にして考えると次のようになります。

筋肉には部位によって極めて攣縮しやすい性質があり、急激に生じる筋肉の強い収縮はもちめん意志による収縮ではないので自律収縮なのですが、それは、既に硬縮状態になっている筋肉に対して、それ以上の過負担を拒否するための反応であると考えられます。

強い自律収縮は特に下腿部の諸筋に見られ、腰部では腸腰筋に見られます。
この腸腰筋は最大の股関節屈筋で、寝ている姿勢から起き上がる時には真っ先に働いて腰を曲げてきます。

更に腸腰筋は、腰を動かしたり歩行を可能にするための最大の重要な筋肉で、これに硬縮状態が生じていると、体を動かす事に抵抗しますし痛みます。

ですから、ちょっとした動作でも過負担がかかると瞬時に急激な攣縮が生じやすく、その時にギクンときて動けなくなります。

これは椎間板ヘルニア説とは大きく違った考え方になっていますが、同時に治療手段も全く違っています。
椎間板ヘルニヤ説では、ヘルニアを生じた髄核に対する手当の手段を考えるのに対して、自律整体では全身に生じている筋自律収縮を解除してから、硬縮状態になっている筋肉を更に手当てして正常に回復させる施術をします。

つまり健康法的な手段になりますが、即効的で根本的な解決になっています。

ただし、ここに述べているのは、普通の腰痛と言われるレベルのもので、かなりひどい椎間板ヘルニアは手術による方法が効果的です。

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