先日NHKの「ためしてガッテン」で「ストレッチはケガの予防にならない」という題で番組を放送していました。
わたしも以前から運動の前にやるストレッチに、確かに体が柔らかくなるけれどこんな体操だけで本当に効果が有るのか疑問を感じていたので興味を持って見ました。
番組によると、オーストラリアの軍隊で検証した結果、日本で行われ、今全世界でも行われている形のストレッチをした人と何もしなかった人を調べたところケガの発生率はほとんど変わらなかったということでした。
あながち私の疑問がおかしかったわけではないようです。
ケガのしやすい人は筋肉の堅い、関節の可動域の少ない人が多いです。
逆にケガの少ない人は良い筋肉に恵まれています。
良い筋肉というのは普段は御餅のように柔らかく、使う時にきゅっと引き締まって固くなるのが理想です。
ですからストレッチ運動をして筋肉をじっくり伸ばして柔らかくすることは良い事なのですが、それで筋肉のエンジンがかかると思えなかったのです。
実際に自分が運動前にストレッチをしてもどこか物足りなく感じました。
その疑問を実際に運動前にストレッチをした時のジャンプ力で試していました。
ストレッチ前とストレッチ後のジャンプ力で比較した時ストレッチ前の方が良かったのです。
ですから運動前に必要なケガをしないために良い筋肉の状態を作るにはこれではだめなのです。
効果的な体操は関節を何回も動かして使いたい筋肉を伸ばす方がいいようです。番組では「ふりふりストレッチ」と名付けていました。
ブラジルではアロンガメント・ジナミコと呼んで色々な関節を色々な方向に繰り返し動かしていました。野球の好きな方は見たことが有るかもしれませんが、広島カープの前田健太選手がしているのが「ふりふり体操」に匹敵するようです。
人間の筋肉は一つの筋肉例えば力瘤をつくる上腕二頭筋で考えると、上腕二頭筋は一つのお肉の塊でできているのではなく、ものすごい数の筋肉の線維が束になってできています。
この筋線維の一本一本はふだんバラバラな指令を受けて動いているのですが、関節を中心に何回も動かしていると、だんだん指令がまとまってきて、筋肉が温まりお餅のようにネバネバして切れにくくなるのでケガが防げるということでした。
何回も体を動かすことで交感神経が活発になるため運動前の準備運動に適しているようです。
従来のストレッチは逆にたくさん使った筋肉を「お疲れ様。」の気持ちをこめてじっくり伸ばしてあげると興奮状態の筋肉が副交感神経により沈静化されます
運動前の準備運動は「ふりふり体操」、運動後のクールダウンにはストレッチがお勧めです。
松本整体院長 久保田昇子